進学したり、異動したり、新しい生活がスタート! とはいえ、クラスメイトや同僚と打ち解けるまでにちょっと時間がかかってしまう…という人も多いのではないでしょうか。きっと学校や仕事とは関係ない、楽しい共通の話題が見つかりさえすれば、一気にその距離は縮まるはずです。
大阪の「NPO 法人ゼロワン」が提供するイベントゲーム「チャンバラ合戦-戦IKUSA-」は、まさに人間関係の壁を壊してくれる画期的な取り組みです。
やり方は、簡単。
- スポンジでできた刀を利き腕に持つ。
- 反対側の二の腕に「命」とされるプラスチックのボールを装着。このボールの中には磁石が入っており、腕に巻かれたバンドについている磁石とくっつき合わせます。
- 戦開始!の合図でチーム対戦をして、敵の「命」を落とした数が多いほうが勝ち。
このようにルールが単純なので、年齢を問わず、国境を超えてすぐに参加することができます。また、陣形を組んで対戦すれば、年齢や体格といったそれぞれの個性をカバーすることも。何より見ているだけでも楽しく、笑いながらプレイできるのも魅力です。
ちなみに「命」とされるプラスチックのボールは、激しい動きをしすぎると落ちやすくできています。対戦上有利になりそうな運動能力の高い人が、「命」を取られない為に激しい動きをすることを防いでいるのです。もしうっかり自分で「命」を落としてしまったら、そのときは「自害」となるのもご愛嬌。
では、チャンバラがどう組織づくりに役立っているのでしょうか? 例えば合併することになったある会社では、社内イベントとしてチャンバラを開催してみたところ大好評。今では年中行事となり、チームの母体となる部署ごとに戦略が練られるという人気ぶりになりました。
他にも、チャンバラを採用活動に取り入れたある会社では、本採用までの離脱率を下げることに成功したり、ネパールの孤児院で行われたチャンバラでは、現場の張り詰めていた空気を変えて、国営放送に取材されたそうです。
代表の米田真介さんは、「世界中から関西にヒト・モノ・カネを呼ぶにはどうしたらいいのか?」という問いを考え抜いた結果、「チャンバラ」を思いついたといいます。関西といえば、「お笑い」。そして、世界から見た日本といえば、アニメに代表されるキャラクターやコスプレ、サムライ。「誰でもが参加でき、「笑える」。これを形にしたのが「チャンバラ」だったのです。
実際にチャンバラに参加すると、まず誰もがワクワクしています。そしてお互いに、普段とは違う意外な一面を見せます。斬っても、斬られても「笑える」というのがポイントで、堅物(のように見えた)あの人にあんな一面があるとは・・というのを安心して見せたり、見せられたり。そうした仕事の場で求められる「役割」=”鎧”を脱ぎ捨てた、その人の本来の姿を知ることで、新しい関係性が紡がれるのかもしれません。
そして本当は誰でも、ありのままでいられることを求めているのだと思います。ぜひみなさんも周りの人の意外な一面を探してみませんか? 「昔、はまっていたこと」を聞いてみるだけでも、何かが変わるはずです。
記事の執筆 善林 英恵 さん、深津 竜也 さん
- この記事は、市民ライター講座を受講された方に執筆いただいた記事です。
- チャンバラ合戦 -戦 IKUSA-は、「まちづくり・お宝バンク」に登録されている取組です。