まちづくり・お宝バンク

お宝No.392
“参加する”映画『祇園祭』(1968年)の思い出 発掘・記録プロジェクト

提案者:  おもちゃ映画ミュージアム (中京区)

【情報提供者募集中】映画『祇園祭』に関する映像や写真、協力会ニュース、上映会のチラシなどの資料がお手元にございませんか?エキストラや撮影時に山鉾に乗った思い出などございませんか?お話を伺いながら、それらをまとめて資料集として残したいと思います。

映画『祇園祭』は、京都が世界に誇る祇園祭をテーマにし、1968年に封切られた作品です。

企画:伊藤大輔、監督:山内鉄也、出演:中村錦之助(萬屋錦之介)、岩下志麻、田村高廣、三船敏郎、志村喬、渥美清、高倉健、美空ひばりなど錚々たる顔ぶれです。

当時は五社協定下でしたが、中村錦之助が設立した独立プロ「日本映画復興協会」の呼びかけに、映画会社の垣根を越えてノーギャラで駆けつけてくださいました。

映画は大勢の観客を呼び、海外でも上映されました。現在は祇園祭先祭と後祭の時に、フィルムを保存している京都文化博物館で観ることができます。

 

製作に当たっては、京都府政百年記念として府が資金援助し、原作が西口克己元・京都市議の同名小説だったこともあり、府市民、労組や山鉾連合会などオール京都で取り組んで完成した作品です。

圧巻の巡行シーンは、右京区嵯峨広沢付近の新丸太町通で撮影。小倉山を東山に見立て、東西1000メートルの通りに室町時代の四条通を再現しました。撮影に際し、長刀鉾と山6基が新調され、菊水、放下鉾は本物を動員。群衆役に府市民エキストラ延べ1万5百人に加え、山鉾町からの指導エキストラ400人も協力しました。

 

この度、おもちゃ映画ミュージアムで、“参加する”映画『祇園祭』の記録 映画『祇園祭』製作上映協力会資料集を発行することになりました。

資料を整理しているうちに、映画に関わった人々の思い出、撮影風景を撮った写真や、8㎜映像などをお持ちの人がおられるかもしれないと思い至りました。それで皆様にお願いがあります。

 

映画『祇園祭』に関する映像や写真、協力会ニュース、上映会のチラシなどの資料がお手元にございませんか?エキストラや撮影時に山鉾に乗った思い出などございませんか?お話を伺いながら、それらをまとめて資料集として残したいと思います。可能でしたら、ご家族やお知り合いにも尋ねていただき、お知らせいただけたらとても嬉しいです。皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

お問合せ・連絡先

おもちゃ映画ミュージアム(太田文代)

e-mail: info@toyfilm-museum.jp

TEL: 075-803-0033

FAX:    075-803-0034

住所:京都市中京区壬生馬場町29-1

進捗状況・成果

【7/26(金)】旧伴家住宅2階ラウンジで「祇園祭」物語をテーマに研究発表と実演を催します!

2024年7月4日

「京都では、祇園さんがお正月どす」

7月になると京都の街は祇園祭一色。中京区に開館した翌年の2016年から2019年まで毎年7月15日夜の「祇園天幕映画祭」に協力させて貰いました。歩行者天国になった四条通の四条大橋から八坂神社の間にスクリーンを2か所に立てて、様々な映像を見て貰う趣向で、当館所蔵の映像も道行く人々に足を止めて見て貰いました。

この2019年は祇園祭が創始されて1150年を数えるのを記念して、祇園祭発祥の地とされる神泉苑や京都三条会商店街にある八坂神社の御旅所に3基の御神輿が揃ってお参りされる特別な還幸祭(7月24日後祭)が営まれました。久世稚児らがミュージアムすぐ傍の武信神社にお参りされることも分かって、それらを見学する催しを企画しました。夕方に、“京都ニュース”で記録された「祇園祭」の数々、現存最古の大正時代の山鉾巡行の映像、今では見られない武者行列が映る映像などもご覧いただきました。そして、映画『祇園祭』(1986年、山内鉄也監督)を大阪芸術大学の研究費で復元をした経緯などを話しました。この後みんなで還幸祭を見学しました。御旅所周辺は黒山の人だかりで大変な熱気だったことを今も鮮明に覚えています。

それ以降、毎年趣向を替え乍ら映画『祇園祭』をテーマにして研究発表会と展示をやってきました。その目的は、この作品が京都府百年記念事業の一環として、日本映画復興協会(代表 中村錦之助)の手によって映画化され、大勢の府・市民が協力して作られたにも関わらず、祇園祭山鉾巡行が行われる7月17日と24日と、それぞれの前日の4日間に限り、京都文化博物館でフィルム上映されるという閉鎖的な状態になっていて、もっと国内外の人々にも気軽にこの作品を鑑賞できる開かれた状態にならないものかと思うからです。この映画は、製作時に於ける諸事情の結果、京都府の所蔵となっています。

この願いのもとに映画『祇園祭』を取り上げて、今年で6年目を数えます。展示は7月28日まで「毛利清二の世界 映画とテレビドラマを彩る刺青展」をしていますので、今年は特別なことをしませんが、代わりに毎月第4金曜日夜に旧伴家住宅(京都市登録有形文化財)でやっている催しの機会を、6年目の場にします。以下に紹介する研究者2人による講演と、京都大学人文科学研究所所蔵の幻灯台本『祇園祭』と、京都民科歴史部会旧蔵の幻灯フィルム画像を用いての幻灯上映をします。

◆日時:2024年7月26日(金)19:30~20:50

◆場所:カンデオホテルズ京都烏丸六角レセプション棟(旧伴家住宅)2階ラウンジ

◆参加費 :1500円、学生(学生証持参)と同ホテル宿泊者1000円(当日19時から2階への上り口に設ける受付で現金にてお支払いください)

◆定員:12名(予約優先)

申し込みは、おもちゃ映画ミュージアム☎075-803-0033、電子メールinfo@toyfilm-museum.jpでお願いいたします。

 

◎タイトル:『祇園祭』物語をめぐるメディアミックス創作

【プログラム】

◎挨拶 高木博志

◎講演①紙屋牧子「『祇園祭』物語を読み直す-紙芝居・幻灯・小説・映画」

概要:映画『祇園祭』(1968年)をめぐって勃発したいわゆる「『祇園祭』論争」(監督を降板した伊藤大輔と製作側との主張の食い違い)は、今なお汲み尽くすことのできない様々な問題を含んでいる。本発表では、伊藤が映画化を構想した契機となった紙芝居(1952年)、そして幻灯といった原点に立ち帰って、映画『祇園祭』が目指した事を問い直す。また「論争」の火種ともなった西口克己の小説(1961年)も射程に入れ、『祇園祭』物語をめぐる作り手たちのイデオロギーについて考察する。

◎講演②鷲谷花「《国民・民族の歴史と文化》の再発見/再創造をめぐる物語とイメージ」

概要:日本共産党の文化政策の一環として1950年代に始動した「国民的歴史学運動」は、「民衆が自ら《国民・民族》の歴史と文化を再発見/再創造する」という目標を掲げ、その実践のために、映画のみならず、多様な視聴覚メディアが活用された。本発表では、1950年代の幻灯や紙芝居、あるいは人形劇といった低コスト・草の根のメディアが、どのような「国民の歴史」の物語の創造を試みたかを、一連の「祇園祭」ものを中心に検証する。

◎幻灯『祇園祭』(デジタル上映)上演(語り:紙屋牧子・鷲谷花)

◎総括 高木博志

[登場順]

高木博志:1959年大阪府吹田市生まれ。京都大学人文科学研究所教授。日本近現代文化史専攻。著書に『近代天皇制と伝統文化-その再構築と創造』(岩波書店、2024年ほか。

紙屋牧子:玉川大学ほか非常勤講師。早稲田大学演劇博物館招聘研究員。専攻は映画学・視覚文化。論文に「映画『祇園祭』を伊藤大輔の作家性から再考するー「傾向映画」との接続と非接続」(『人文學報』第116号、京都大学人文科学研究所、2021年)ほか。

鷲谷花:大阪国際児童文学振興財団特別専門員。専攻は映画学、日本映像文化史。著書『姫とホモソーシャル:半信半疑のフェミニズム映画批評』(青土社)ほか。近年は昭和期の幻灯(スライド)に関する調査研究及び、幻灯機と現物フィルムによる上映運動にも取り組んでいる。

祇園祭は7月31日の疫神社夏越祭で1か月にわたって行われる祭が終わります。その祇園祭の思い出に、幻灯で見る「祇園祭」体験もぜひ加えていただければ嬉しいです。ご来場を心よりお待ちしております。

7/24(日)映画『祇園祭』(1968年)をテーマに研究発表会を開催します

2022年7月7日

 

映画『祇園祭』(1968年)をテーマに研究発表会を開催します。

◆日時:7月24日(日)13:30~

◆会場:おもちゃ映画ミュージアム

◆参加費:1800円(入館料込み・事前申込優先)

◆お申し込み方法:電話:075-803-0033、ファクス:075-803-0034、

電子メール:info@toyfilm-museum.jp のいずれかの方法でお願いいたします。

玉川大学ほかで非常勤講師、早稲田大学演劇博物館招聘研究員としてご活躍の紙屋牧子さんの「映画『祇園祭』とは何だったのか―伊藤大輔の降板をめぐって」に続き、今年も太田館長の研究バージョン 映画『祇園祭』を上映します。

7月23日、24日京都文化博物館フィルムシアターで上映される映画は山内鉄也監督の168分ですが、これを伊藤監督が作りたかったのはこのような映像ではなかったかと編集し直して、130分に仕上げました。司会進行は、この映画について精力的に論考を発表されている京樂真帆子・滋賀県立大学教授です。

詳しくは こちら をご覧ください。

★定員は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、通常より少し減らして25名に設定しています。

予約優先で、1800円(入館料込み)。お申し込みは直接、電話:075-803-0033、ファクス:075-803-0034、電子メール:info@toyfilm-museum.jpのいずれかの方法でお願いいたします。万一予約されていてもご都合が悪くなった場合は、できるだけ早い目にお知らせください。キャンセル待ちの方にご案内しますので、ご協力をお願いいたします。当日無断キャンセルの場合は、料金を頂戴しますので、お気を付け下さいませ。

7月は「“参加する”映画『祇園祭』資料展」を開催します‼

2021年6月30日



 

 

7月の展覧会と関連イベントを載せたチラシができました。京都で7月と言えば、何と言っても祇園祭。コンチキチン♪のお囃子と豪華な懸装品で飾られ「動く美術館」とも言われる山鉾の巡行を連想しますが、新型コロナウィルスの感染拡大を防止する為、58年ぶりに巡行が中止された昨年に引き続き、今年もまた。。。2年連続で中止になると、大工方の鉾建ての仕方や鉦、笛、太鼓から成る囃子方さんの技術など、長く伝承されている技術の継承が困難になるのではないか、そもそも疫病退散を願って始まったのがこの祭ではないかということで、今年はやり方の工夫をしながらできる行事を実施していく方向だそうです。今朝の京都新聞では、室町時代応仁の乱後の1500年に始まった「くじ取り式」も実施されると報じていました。当館では、昨年に続き7月企画展として、映画『祇園祭』(1968年、日本映画復興協会)の資料展を開催します。前回ご紹介したとおり、5月に小冊子5『“参加する”映画「祇園祭」の記録』を発行したので、そのお披露目を兼ねて実施します。小冊子は費用の関係でモノクロ印刷ですが、そこに載せた資料の実物や、このほど京都大学人文科学研究所に寄贈された「山本明コレクション」の中からお借りした貴重な資料類、囃子方としてこの映画に“参加した”菊水鉾の川塚菊鳳さん、放下鉾の堀繁夫さんのご子息真也さんからも大切な資料類をお借りしてご覧頂きます。平成元年に堀さんが撮影された放下鉾巡行記録映像や録音した囃子の音源も流しながら、風流を味わってもらおうと思っています。

資料展7月1日~31日開催にあわせて、関連イベントを7月17日(土)と7月24日(土)に開催します。

【7月17日のプログラム】

▼高木博志京都大学人文科学研究所教授に「戦後史のなかの1968年京都と映画『祇園祭』」の演題でお話し頂き▼続けて小冊5を執筆して下さった京樂真帆子先生に「伊藤大輔が目指した映画『祇園祭』」の演題でお話頂きます▼換気を兼ねた休憩の後、劣化が進み赤く退色していたフィルムを2007年に復元(監修は山内鉄也監督と井川徳道美術監督)するのに関わった太田米男館長が「幻の映画『祇園祭』を観る」と題して再編集した映像を上映します。

2007年、ニュープリントを試写会で見た山内鉄也監督は色彩面での感想より「もっと切れるね」「あやめとの関係が甘いね」と仰り、その時「シナリオを一字一句変えるな」「訴訟も辞さない」という条件の中での仕事だったことを明かされました。今回はその甘さをカットして「企画当初の伊藤大輔監督が作りたかった作品はこうだったのではないか?」という研究版をご覧頂きます。

【7月24日のプログラム】

▼河内将芳奈良大学教授に「戦国時代の祇園祭」と題して講演して頂き、その後にもう一度、太田の研究版として編集した『祇園祭』を上映します。

河内先生から、この映画『祇園祭』のもとになった紙芝居『祇園祭』の現物をお借りして展示します。1952年4月10日~5月1日血のメーデーがある直前に、京都大学と立命館大学の4年生有志20人ほどが集まって作った作品で、表書きに「祇園祭 民科京都歴史部会」とあり、ガリ版刷りの台本の表紙には「紙芝居台本 民科京都歴史部会製作 祇園祭」と書いてあります。この紙芝居を元に1961年に小説家で京都市議でもあった西口克己さんが歴史小説『祇園祭』を書き、その7年後にこの小説をもとに映画『祇園祭』が作られたという流れがあります。

河内先生のお話は「紙芝居や小説・映画が描いた戦国時代の祇園祭と実態がどのように異なっているのか、当時書かれた史料をもとに説明していく」です。とても興味深いですね。紙芝居、小説、映画の3種類が勢揃いした講演会となります。どうぞ、お楽しみになさって下さい‼

コロナ対応で、いつもの半分の定員にして、各日先着15名で予約優先です

感染予防対策に取組みながら開催しますので、ご入場の際には検温と手指消毒にご協力をお願いいたします。なお、古い建物で隙間が多く(コロナ対応には良いのですが)、冷房をしていても不充分です。どうぞ、できるだけ涼やかな服装でお越し下さいませ。よろしくお願いいたします。

【お申込み・お問い合わせ先】

MAIL:info@toyfilm-museum.jpTEL:075(803)0033

 

 

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映画「祇園祭」協力会ニュースをお持ちの方を探しています!

2021年4月15日

【お持ちの方を探しています】

映画「祇園祭」製作上映 協力会ニュースをお持ちの方はいらっしゃいませんか?

1号、2号、4号はすでに手元にありますが、他の号を今でも大切に保管していらっしゃる方がいらしたらぜひ見せていただきたいです。

 

おもちゃ映画ミュージアムでは引き続き、この映画に関わられた府市民や各団体のみなさまの情報提供を受け付けております。

ご協力どうぞよろしくお願いいたします!

 

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お宝No.392 登録情報
提案者 おもちゃ映画ミュージアム
WEBサイト等のURL http://toyfilm-museum.jp/
提案者の区分 その他 
提案者の所在地 中京区 
提案の種類 取組を提案します。取り組む際には協力します!  私たちが取り組みます!  私たちこんな取組をしています(情報提供)! 
提案のカテゴリー その他  地域活性化  文化・芸術  観光 
提案に関連するSDGsの目標番号
SDGsとは リンク先の目標番号のアイコンを選択すると詳細が表示されます)
住み続けられるまちづくりを 

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