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子どもからお年寄りまで、みんなで楽しめるライブパフォーマンス!「SUKIDARAKE MAFIA」の、バンド名に込めた思いとは?

掲載日: 2017年12月12日

音楽を生で楽しむために、多くの人はライブハウスやコンサートホールに行くと思います。しかし、京都を中心に活躍するバンド「SUKIDARAKE MAFIA」が本領を発揮するのは、京都精華大学近くの「デイサービスセンター虹」など、老人ホームや児童館、区役所などで行われる出張アコースティックライブです。これまで、メンバーの家族や知り合いのつながりをきっかけに、京都・岐阜・広島の老人ホームで計7回のライブを行いました。

彼らの魅力は、アーティストとオーディエンスが物理的にも心理的にも距離が近いところ。バンド名の「SUKIDARAKE MAFIA」には、「MAFIA」という悪のイメージがありながらも、メンバーの「隙だらけ」なゆるい雰囲気と、「好きだらけ」なことを実現していくという思いが込められています。

結成は、メンバーの熊沢紗世さんが大学2回生のとき。当時同じ学部だった仲間でスタートし、現在は女性3名、男性1名の合計4名で構成されています。熊沢さん自身もキーボード・鍵盤ハーモニカ・木琴などの鍵盤系のほか、ドラムを含むパーカッション系を演奏するなど、それぞれのメンバーが複数の楽器をこなし、マイクなど音響設備のない場所での演奏を得意としています。なんと、広島県の尾道では、あまりに美味しかった牡蠣への感謝を込めて、牡蠣小屋で即興の演奏を披露したこともあったとか。もちろんカフェや音楽イベントでのライブも数え切れないほど行っています。

敢えてライブハウスではない場所で演奏することで、お年寄りからお子さんまで、様々なバックグラウンドを持つ人々と交流できるようになり、「お客さんの表情が見える距離から自分たちの音楽を届ける喜びを感じるようになった」と熊沢さん。ただ「演奏がスゴイ!」と言われることだけを目的とせず、音楽を純粋に楽しむこと、そして「SUKIDARAKE MAFIA」の空気感を共有することを大切にしています。

実際、老人ホームでは「瀬戸の花嫁」「上を向いて歩こう」など思い出の曲で涙を流したり、野外ライブではお子さんたちが自然と走り寄ってきてくれたりと、聞いている人々の心の変化を目の当たりにする出来事が何度もあったそう。こうした触れ合いが、メンバー全員のモチベーションにつながっているのです。

ちなみに、「SUKIDARAKE MAFIA」はごはん屋さんになる日もあるのだとか。それが元田中駅近くの「みけねこ食堂」を借りて開催している「すきだらけ食堂」です。メンバー全員がごはんをつくるのが好きだという理由だけで始まった、ほとんどライブを行わない自主イベントですが、ここではライブとはまた違った“すきだらけ”な雰囲気を味わうことができます。

完璧すぎないからこそ生まれるパフォーマンスの“すきま”がお客さんの心を揺さぶり、場の一体感を生み出す。そんな「SUKIDARAKE MAFIA」の世界を、みなさんも味わってみませんか?

記事の執筆 前野実香 さん、光武みゆき さん


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