4月1日(水)より、月・火曜日の休館日を除き、1週間単位で毎朝10時30分~12時の午前中に、大阪芸術大学映像学科の歴代学生映画を1作ずつ(短編の場合は2作)上映します。
「THE FIRST PICTURES SHOW 1971-2020」
上映予定の作品はこちら
(おもちゃ映画ミュージアムHPより一部抜粋)
映画の復元や保存を呼びかける活動をしていくなかで、学生映画も保存に値すると強く感じていました。映画祭に出品し、評価を受け、他の映画祭にも出品、・・・と働きかけても、学生作品が動く期間はたかだか2年ほどです。その後はプロになり、様々な職場で活躍することになりますが、卒業作品や在籍中に作った映画作品は、再び日の目を見ることは殆どなく、押入れの中に死蔵されてしまいます。
それらの作品は、技術的にも荒削りで未熟なものだったのかもしれませんが、既存の概念、営利やノルマなどの価値観にとらわれることのない純粋な映画への愛や思いに満ちています。映像学科を卒業し、有名になった監督やスタッフたち、アニメ作家、あるいはゲーム業界で活躍する人たちも多くいますが、それぞれの人生を歩む上での原点となったものがここにあります。
学生時代の自由で奔放に広がるイメージは、映画館やテレビでは決して見ることができないものです。映画は一人ではできず、集団での爆発するようなエネルギーが必要です。時には対立し、内部崩壊したグループも数えきれないほどありました。学生映画は二度とない、その時代にしか作れない、エネルギーの結集なのです。完成した作品は、たとえ荒削りでも、若くバイタリティーに溢れています。これらの映像は、本人にとって原点であるだけでなく、新たな気付きを得て、更なる飛躍に繋がる契機になるかも知れません。さらにいえば、これから映画を学び、創作しようとする人たちにとって、創作のヒントとなり、大いに刺激になることだろうと思います。