7月は「“参加する”映画『祇園祭』資料展」を開催します‼



 

 

7月の展覧会と関連イベントを載せたチラシができました。京都で7月と言えば、何と言っても祇園祭。コンチキチン♪のお囃子と豪華な懸装品で飾られ「動く美術館」とも言われる山鉾の巡行を連想しますが、新型コロナウィルスの感染拡大を防止する為、58年ぶりに巡行が中止された昨年に引き続き、今年もまた。。。2年連続で中止になると、大工方の鉾建ての仕方や鉦、笛、太鼓から成る囃子方さんの技術など、長く伝承されている技術の継承が困難になるのではないか、そもそも疫病退散を願って始まったのがこの祭ではないかということで、今年はやり方の工夫をしながらできる行事を実施していく方向だそうです。今朝の京都新聞では、室町時代応仁の乱後の1500年に始まった「くじ取り式」も実施されると報じていました。当館では、昨年に続き7月企画展として、映画『祇園祭』(1968年、日本映画復興協会)の資料展を開催します。前回ご紹介したとおり、5月に小冊子5『“参加する”映画「祇園祭」の記録』を発行したので、そのお披露目を兼ねて実施します。小冊子は費用の関係でモノクロ印刷ですが、そこに載せた資料の実物や、このほど京都大学人文科学研究所に寄贈された「山本明コレクション」の中からお借りした貴重な資料類、囃子方としてこの映画に“参加した”菊水鉾の川塚菊鳳さん、放下鉾の堀繁夫さんのご子息真也さんからも大切な資料類をお借りしてご覧頂きます。平成元年に堀さんが撮影された放下鉾巡行記録映像や録音した囃子の音源も流しながら、風流を味わってもらおうと思っています。

資料展7月1日~31日開催にあわせて、関連イベントを7月17日(土)と7月24日(土)に開催します。

【7月17日のプログラム】

▼高木博志京都大学人文科学研究所教授に「戦後史のなかの1968年京都と映画『祇園祭』」の演題でお話し頂き▼続けて小冊5を執筆して下さった京樂真帆子先生に「伊藤大輔が目指した映画『祇園祭』」の演題でお話頂きます▼換気を兼ねた休憩の後、劣化が進み赤く退色していたフィルムを2007年に復元(監修は山内鉄也監督と井川徳道美術監督)するのに関わった太田米男館長が「幻の映画『祇園祭』を観る」と題して再編集した映像を上映します。

2007年、ニュープリントを試写会で見た山内鉄也監督は色彩面での感想より「もっと切れるね」「あやめとの関係が甘いね」と仰り、その時「シナリオを一字一句変えるな」「訴訟も辞さない」という条件の中での仕事だったことを明かされました。今回はその甘さをカットして「企画当初の伊藤大輔監督が作りたかった作品はこうだったのではないか?」という研究版をご覧頂きます。

【7月24日のプログラム】

▼河内将芳奈良大学教授に「戦国時代の祇園祭」と題して講演して頂き、その後にもう一度、太田の研究版として編集した『祇園祭』を上映します。

河内先生から、この映画『祇園祭』のもとになった紙芝居『祇園祭』の現物をお借りして展示します。1952年4月10日~5月1日血のメーデーがある直前に、京都大学と立命館大学の4年生有志20人ほどが集まって作った作品で、表書きに「祇園祭 民科京都歴史部会」とあり、ガリ版刷りの台本の表紙には「紙芝居台本 民科京都歴史部会製作 祇園祭」と書いてあります。この紙芝居を元に1961年に小説家で京都市議でもあった西口克己さんが歴史小説『祇園祭』を書き、その7年後にこの小説をもとに映画『祇園祭』が作られたという流れがあります。

河内先生のお話は「紙芝居や小説・映画が描いた戦国時代の祇園祭と実態がどのように異なっているのか、当時書かれた史料をもとに説明していく」です。とても興味深いですね。紙芝居、小説、映画の3種類が勢揃いした講演会となります。どうぞ、お楽しみになさって下さい‼

コロナ対応で、いつもの半分の定員にして、各日先着15名で予約優先です

感染予防対策に取組みながら開催しますので、ご入場の際には検温と手指消毒にご協力をお願いいたします。なお、古い建物で隙間が多く(コロナ対応には良いのですが)、冷房をしていても不充分です。どうぞ、できるだけ涼やかな服装でお越し下さいませ。よろしくお願いいたします。

【お申込み・お問い合わせ先】

MAIL:info@toyfilm-museum.jpTEL:075(803)0033

 

 

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